「侃蔵。
侃蔵は大きすぎたゎ
それを抱かぇられるだけおぉきなものを せおわせてしまった
あの子の名前は
甚蔵、
甚蔵はつよすぎたゎ
それが受けとめられるだけのものと たたかわせてしまった
この子は
偉蔵、
偉蔵にするゎ。
人の綾に交さなって、 その中にあれるよぅに」
「なんでじゃぁ?
男は強よくじゃ。よりもっと、よりぽっちょぉけたぁおぉきぃ世界をゆけたほぅがぇえじゃろぅ!」
「だからよ、あんた。」
この子はちぃさいゎ。あたし達の最後の子、誰よりも守られた
この森の、一番さぃごの、あたらしぃ希望(のぞみ)になるゎ。
だからだれよりもおぉきなものから愛されつづけなさぃ、そのつよさと共にいつもありなさぃ。
その隣に伸立びながらあなたはいなさぃ、それこそがこの世のひとりならざる理へ-つつがなくこのよろこびを恵むあなたの、人間そのもののちからなのだから。