*ぷみささんちの白紙帖

ぼくのこころのふりーだむ。

*ぴちゅ:めゝんと∴ぱらたいぽ

https://pms0lsxm.hatenadiary.jp/entry/2019/10/18/055218

**〔exspiravit ∃ureka papilionem


幼ぃ子供といぅのは、そんな自分が知らなぃものが、またはそぅだと言ぃ聞かされてきたものがそれと違ぅ姿をしていたとき、
ひとつの闇のるつぼにうまれた一握の恐怖の感情を抱くものである。その真相の姿が、かくあれど。


だからその繭玉の静謐のごとくなすがままにされてぃた白ぃ躯の模造品のよぅに長ぃまつげが激しくばちんと漿石色に揺蕩(たゆた)った閃光に弾けたときも、ぼくはやはり背筋を伸ばして呼吸を縮め軽ゃかに身を正してしまったのだ。おもゎず指差(ゆびさき)が頼りに掴んだ羅紗色の命ある樹脂柱の柔わぃ電撃が走る。

 


一勢にかぶりをふって大ぉきな腕からはねだした葱の洞穴玉(ケイブ・パール)のよぅな頬は、そのままてなれたこにくさで橅の両手の掌(ひら)に当てがゎれ、
それに埋り包まれれば、まるでアポロの帰還の如く―なぃしその発射台のよぅに、もぅ碌々(ろくろく)垂れる巨漢の巻毛に半分貌(かお)沈澱され、斜長石の曇間に隠(け)ぶる茂奥(しげみおく)のなか、眼鏡の鼻当てが互ぃに不穏に蠱惑にかちゃりと鳴るほど、どぅでもいぃが顔が近ぃ。
どぅなんだろぅ…なんだこれ、笑ぅところなのか?
その綿(わた)の榧(とばり)の中の融解から熏かしくくぐもるよぅに響く
「なに…『貴様の発言は極めて恣意的かつ非合理的な虚無的に形骸上な論理性を弄んだ独善的な配慮における享楽性に尽きる、
この客視的な形容性を項の一として当弁証における根拠とし、なをかつ対象の精神的な思索に前述の項、一の如く迷蒙に誘ぃ間鈍(まどろ)こしく冗長だ、よってなんだあぁ…ネギの睫毛は本当に細ぃなぁ。そんなんで本当に日差しやほこりからその綺麗ぃな眼に…が降るのを守れるのか?ぇ?己のあり方を今一度反省しろ』、くっふっく。」
そぅ「橅」の声だけが言ぃ終わると、さきたること何事もまるでなかった様ぅに、葱はまたしゃんと姿勢を戻して生白ぃ腕で皿を啄み始めた。

 

玻璃白(しらゝし)ぃ指の鉾(き)っ先の飴綿色(メレンゲ)だけがふわふわと暢気に呑み込まれてぃる。
もはや思考を走らせなぃと淑かな風化の日射しのなかであたまのまともな回路ごと砂にとけそぅだ。

 

 

「…心読めるんですか、人の?」

 

隣で金のナイフを掲げたまま伊達げにいかがわしぃ洋装の大男が毛先を余裕たっぷりげにくゆらしてぃる。
「読めたら、もぅちょっと君等との話を。楽しんではなぃんじゃなぃか?」
あ゛ー。質問に質問で返しちゃだめなんだって大人は言ってたぞ。疑問形で返ぇしたら結局ぼくらはお前ぇのことをわからずじまぃじゃなぃか。

 

此処(ここ)でなら、そんな奴が居ても既に可笑しくはなぃ…そぅ思ったらもぅ負けになってしまぅような気がする。

 

さんさんと世界の色は褪暈けた昏陽に照すばかり、
さっきから僕の中で虚構と真実が、テンカン招く闇と光の交差のなかでいくども点滅してぃる。

 

「なんだかさ、喉が乾ぃてきたなぁ。」
悠々と背伸びさせながら微睡(まどろ)ましく送る視線に、蓮根が
だらしなく組んだ足本で上品にくゆるカップのことを思ぃ出した。
「ぁ、飲み物は苦手だっけ…。」
蓮根は飲み物が飲めなぃ。なんじゃそりゃと思うが、まともな水分を水分としてとるのが出来なぃらしぃ。

 

「皆んなが飲んでるとこみるのは好きなんだもん。大根代ゎりに飲んでよ。」
ぃつもそぅじゃなぃか。じゃぁ遠慮するなりなんとかすりゃぃいものを、奴いわく人がモノを飲み込んでる姿が好きらしぃ。
子どもながらにも一とつの変態じゃなぃかといぃたぃが、自分の手前言ぇなぃ。
はぁ。 一息つぃて子どもながらに指にも細ぃ取っ手を握むと
紅葉晄(もみぢばいろ)に厳か格式めぃた微温(まろ)やかな燈火(ランプ)色の中から意想外の甘微な感覚が口の内へ立ち込めた。

 

「ぁ…いぃ薫りだ。」
立ち上った熟れた華色の果匂(かぉり)。それはどこかの異国のクリームのよぅな麝香をまとゎせる、
この部屋(くうかん)に充満したまったりと絡む甜蜜(シラップ)色の大気のその正体は、恭々しくも甘酸っぱぃケーキのものでなく、この瀟洒な意象白磁(ペインティング・ポーセリン)に注がれた燈火(ランプ)色に熱ぃ紅茶のものだったのだ。

 

その焦れるよぅな飴色蜜(あまいろ‐)の甘さは、濃恍(のぅこう)な果実の薫香(ほぅこう)がはぢけた甘きケーキの風味をよりふくよかに際立たせ不思議と合ぅ。

 

「タイ紅茶だよ、はじめてか。蜂蜜がいれてある。お口にあったなら幸ぃだ。」
夕焼色に艶(て)る覚々(さめ‐)しく感覚的な景色を
情緒に一掬ぃ贈るよぅな昂(こう)彩(さい)色(いろ)に。

 

その遣り取りに黙って感化されるよぅに、白い指先の手元で葱もまた、その醒めた琥珀色の蜜をこぷりと一口飲みほした。

 

「だいたぃレモンティーにするのが基本なんだがな。ホットだとミルクを入れても合ぅぞ。子どもは好きかもな。
でも、葱は、たっぷり蜂蜜が入ぃったのが好きなんだもんな。」
さもそんなお利口な姿に満足げく、その微細ぃ頭の日射色の灯火に薫る微(やゎ)ぃ髪を掻き乱だしくしゃくしゃと撫でた大ぉきな掌の、橅その笑顔は鮮烈で戯楽(ぎがく)のよぅにまた、からぃほど甘かった。

 

ぼくはまた一つ気付ぃたことがある。
この一途に‐幼ぃ記憶の軌跡の中で暗所蔵(ものおき)に閉じられた玩具の道化のよぅに甘ゃかした現世(とこよ)摺れた空間は、
すべてこの白ぃ微弱きイキモノ―葱といぅ主のためへとつくり仕立て上げられた”もの”であり、僕等はその一つの日―ただ一輪から馨(かお)る日だまり、なぃし花粉のお添番に…夜の、昼の虫奴(‐けら)の如く…預っているに過ぎないのだといぅことを。

 

…なんだかもぅ、無性に家に帰りたぃ。
そんな心を過擬(よぎ)らせることすら、そぞろなぃ足の指先を悟られる
そんな事になりはしなぃか。 だと良ぅのに、

 

 

 

その母にも似た温もりの薫りに、ぼくといぅ子どもはまたうかつにも気が緩んだ。

 

***
幼さなぃ記憶の朦朧のかげで
あれから自分が見た風景は

カン‐言にまくしたてられたげき‐じょ‐うのはて
ただ季節の境が温もりのなかでまくれるよぅに
安堵に酔うよぅな五月雨のよぅに甘ぃ薫りの中で
途方に莫(く)れるじぶんの身をかばぅよぅに
倒れ込んだ母の身体の、覆ぃ被さる暗闇のなかで帳に隠れ、
あとは頭蓋を穿つよぅに大気を凪いだ轟音が気を遠くした。

ぼくらのそれからへと。 晴天に停滞した廻天へと。
それだけ。

 

だけ。
***

 

いまはそれでなを、非力に湿漆(ぬか)った殻のなかに微睡む。

 

こつ、こつと、
*甘金糸色の花模様の瀟洒な陶磁が拍動を踏むたびに、
*それでもぼくは、歩き出さねけりゃならなぃとおもっていた。
*溜めどなぃ高速にかけ軼ぎる日常に摺り混ぜ曳かれるその前に、僕等はこのただ境界線一本だけの安矃(おやくそく)を、抜け出さなければいけないのだ。

 

あい***ものたちのために。

 

峙向壁(むかぃ‐)ひとつ、の箱庭に遊ぶ永久の夢の怠惰に、蓮根はあくびをひとつこぃている。

 

「で、大根。結局君はここで何が見たかったのさ?」